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栄養学専攻修士課程

研究指導の概要

5領域19分野から栄養・食の重要課題をテーマとして選び人間栄養学の研究を行います。
 以下の「研究指導の概要」でわかるように、栄養学研究の基礎から社会的実践まで、各分野で高い水準の研究実績を重ねる19名以上の専任の教授陣(大学院担当教員)、遺伝子・分子レベルの実験室、日常の生活スタイルを再現しつつ人間の実験可能なメタボリックユニット、および国内外の実践施設や地域など、質の高い多様な研究・学習環境に恵まれて、大学院生たちはそれぞれ個性豊かな研究・実践をすすめてきました。
 基礎栄養科学、実践栄養科学、生体科学、食文化科学、食物科学の各領域に関する現代の栄養・食の重要課題をテーマとして、人間の栄養・食を複眼的に構造的にとらえる研究を行うなど、まさに「人間栄養学」のメッカといわれる由縁です。
 修士論文研究について指導教員の専門分野を存分に学びつつ、関連する学問や他の領域の研究・実践活動の成果との学際的なアプローチが特徴です。大学院修了者たちの修士論文テーマや高度専門職業人養成実習報告書テーマがその実績をあらわしています。
 
高度専門職業人養成の課題分析のワークショップ。国内外での実践経験豊かな教員たちと一緒に、課題分析・プログラム形成・評価指標の検討・これらを踏まえた実習課題の決定について挑戦中。  

研究指導の概要(平成27年度分)

Ⅰ基礎栄養科学領域

分野(科目)
担当教員
研究指導の概要

基礎栄養学

川端  輝江 教授

(1)個人あるいは各対象集団における食習慣の把握と栄養アセスメント、疾病との関連について検討する。

(2)ヒト介入あるいは動物実験を通して、食事中脂肪酸の量と質(n-6系及びn-3系・トランス脂肪酸等)が健康に与える影響について検討する。

(3)栄養疫学の手法を用い、妊娠期及び授乳期におけるn-3系脂肪酸(EPA,DHA)摂取と新生児・乳幼児の成長・発達との関係について検討する。

(4)四群点数法等の食事法の開発及び利用法の検討、さらには、日本食と疾病に関する研究を行う。

栄養生理学

上西  一弘 教授

(1)骨量の変化には食事、運動などの生活習慣が影響する。成長期~高齢期における、カルシウムを代表とするミネラル、およびビタミンD、Kなどの摂取とライフスタイルが骨量に与える影響を疫学的および実験栄養学的に広く調査、検討する。

(2)カルシウムおよびその他いくつかのミネラルについて、ヒトでの吸収・利用を実験栄養学的に検討する。

(3)スポーツ選手と栄養の関わりを、調査、介入研究によって検討する。

(4)成長期のライフスタイルと身体状況について横断的ならびに縦断的に検討する。

(5)妊娠、授乳期のカルシウム、鉄栄養について横断的ならびに縦断的に検討する。

臨床栄養学

田中  明 教授

(1)脂質代謝異常が動脈硬化に及ぼす影響を検討、研究する。特に、血中レムナントリポ蛋白、アポ蛋白などの動脈硬化性疾患に及ぼす影響を検討、研究する。また、食後高脂血症の代謝メカニズム、動脈硬化における意義について研究する。

(2)食事療法、運動療法の体内代謝異常に及ぼす影響を検討、研究する。

Ⅱ実践栄養科学領域

分野(科目)
担当教員
研究指導の概要

医療栄養学

本田  佳子 教授

 生活習慣病および障害者における栄養食事療法の栄養素成分の量およびエネルギー比率、食物形態等に関する研究を行う。また、栄養食事療法関連の慣用用語の標準化等に関する研究を行い、栄養教育が必須となる疾患の栄養教育Guidelinesの開発ならびに栄養食事療法のOutcomesとindicatorに関する研究を行う。

栄養管理学

石田  裕美 教授

 個人・小集団(成長期、妊娠・授乳期、アスリートなど)または特定給食施設を対象に栄養管理を目的とした、栄養状態の評価、栄養計画、食事計画と食事管理に関する研究を行う。また、特定給食施設における品質・生産管理のシステムに関して、栄養管理の視点から研究する。

食教育学

武見  ゆかり 教授

 学習者のニーズや地域社会(コミュニティ)の課題をふまえ,健康寿命の延伸につながる栄養教育・食育並びに食環境づくりプログラムの企画・実施・評価に関する研究を行う。具体的には、対象集団の優先課題アセスメントのための調査研究、アセスメントのツール・評価指標・教材の開発研究、介入を実施してその評価を行う介入研究など。各自の研究課題に対応した行動科学理論・モデルを活用し,量的・質的研究を進める。なお、市町村などの行政単位区だけでなく、学校や職場を中心としたコミュニティも広く含めて、研究対象とする。

Ⅲ生体科学領域

分野(科目)
担当教員
研究指導の概要

加齢生化学

香川  靖雄 教授

 発生から老化までの全体像を学び、さらに、ゲノムビタミン学に基づいて脳機能、生活習慣病諸指標の改善について、栄養クリニック、高齢者施設、外来施設等で研究する。特に新しい時間栄養学の人体時計遺伝子多型の影響、精神栄養学でうつ病、摂食障害を含む脳と精神の栄養学と、高齢者の大きな問題である脂肪酸不飽和化酵素多型とベジタリアンの健康と、認知症への影響、さらに葉酸等、遺伝子多型の研究では腎透析患者について研究を進める。

分子栄養学

福島  亜紀子 教授

 食餌因子が機能発現に至るまでの過程を遺伝子レベルで研究する。遺伝子発現に至るまでには、数多くの転写因子や染色体の構造変化を伴う。これらを主に分子生物学的手法を用いて解析する。また、離乳期における乳糖分解酵素発現低下機構についての解析を行っている。

生化学

山田  和彦 教授

 消化管は、食物を摂取し残渣を排泄する臓器であるが、身体の内部にあっても外部環境に広く接する臓器である。食事由来の高分子化合物が秩序だって低分子に分解されながら吸収されることを解説する。特に膵臓、小腸上皮細胞に存在する各種消化酵素の酵素学的特異性、および食事環境に対する応答性について研究をすすめる。

生理学

藤巻  わかえ 教授

 幼少時期における免疫反応は、成人とは異なる。このことは、アレルギーの成立や感染症の病態に影響すると考えられる。新生児期の免疫機能の特性を知るために、新生児の血液である臍帯血や成人の末梢血中の免疫担当細胞などを用いて、免疫機能を比較検討する。

Ⅳ食文化科学領域

分野(科目)
担当教員
研究指導の概要

国際開発論

磯田  厚子 教授

 途上国における食や栄養の問題やその原因の一つとしてのジェンダー問題について、その現状分析や改善のための方法論の検討が研究テーマの柱である。地域の栄養問題は、国際開発や地域開発に大きな影響を受けている。狭義の栄養改善活動としてだけでなく、地域開発の視点が不可欠である。特に、住民参加による開発(Participatory development)や地域固有の知恵を生かした開発(Indigenous knowledge & technology)の方法論などを視野に入れた研究指導を行う。

生活教育学

仙波  圭子 教授

 人と環境の相互作用としての衣・食・住の生活に関わる内容や課題、家庭生活や消費生活で生活者が直面する諸問題と、それらの教育的意義を研究する。家庭科教育においては生活諸相の一つとして食物、栄養、調理を扱い、生活を総合的にとらえる視点が重要となる。また、現代的課題として、持続可能な開発に関わる教育の視点と情報化社会における生活の創造の在り方について、個人の生活価値観に基づいた生活意識や生活技術との関連から検討する。

食環境教育学

井元  りえ 教授

 食生活と環境問題との関係に関する理論的考察、およびその教育内容と方法の実践的なあり方について研究する。学校教育および社会教育において、ESD(持続可能な開発のための教育)の視点から、環境倫理、法制度、経済的しくみ、文化も含めた食環境教育のあり方を探る。イギリスやドイツなどの海外の教育も参考にしながら、考察を進める。

Ⅴ食物科学領域

分野(科目)
担当教員
研究指導の概要

食品学

三浦  理代 教授

《加工食品開発論》

 健常者を対象に米飯との組み合わせにより、食後血糖上昇を抑制する可能性が示唆される植物性食品をいくつかとりあげ、GIを抑えるよう食品のスクリーニングを行う。
 また、血糖自己測定と近赤外分光法を用いた非侵襲血糖測定を同時に行い、両者の相関を比較検討する。

食品学

西塔  正孝 准教授

《食品素材開発論》

 水産物由来のタンパク質やペプチドを調製し、食品素材としての有効性を評価する。特にどのような構造体が組織内で機能性を発揮するのか、遺伝子クローニングや質量分析により構造解析を行うとともに、細胞培養や遺伝子発現解析により、作用機序を明らかにする。また、同様な方法で食品の品質鑑定や鮮度指標の開発を行う場合もある。

食品機能学

青柳  康夫 教授

(1)穀物、野菜、果物,山菜,きのこの生活習慣病予防成分の研究

(2)穀物、野菜、果物,山菜,きのこの嗜好成分に関する研究

(3)食用担子菌(きのこ)の利用に関する研究

食品衛生学

上田  成子 教授

《食品微生物管理論》

 食中毒微生物(細菌・ウイルス)による食水媒介感染症を制御するための厨房内の微生物管理の方法を検討するとともに、疫学的追跡調査のための分子遺伝学的手法および免疫学的手法を確立する。

調理科学

柴田  圭子 准教授

 加熱調理(誘電加熱や真空調理を含む)による食品の物性・組織・成分の変化について、物理的および化学的測定や官能評価などにより多面的に分析・検討し、人間の嗜好性(特に呈味性)との関連について研究する。また,調理過程で変動する食物の状態の科学的解明や食材の調理特性を検討し,合理的な調理について研究する。

調理・食生活学

小西  史子 教授

 調理または食生活と健康に関する研究を行う。テーマは以下のとおりである。

(1)米粉パンに関する研究
 水溶性食物繊維の添加が米粉パンの物性に及ぼす影響

(2)食事計画指導の方法と効果
 献立学習や食事計画は児童・生徒・学生にとって困難な学習の一つである。これを解決するための方法を考え、それを実施して効果を検証する。

(3)日本人の食生活に定着したパンの特徴と朝食に関する調査

 上記以外のテーマでも可能であり、話し合いながら決定する。

の担当教員は平成28年度の学生募集を行いません。
平成28年度に学生を募集する担当教員については学生募集要項(願書)にて必ず確認してください。
 
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