料理本のタイトルにあふれる“時短”、“簡単”、“スピード”、“らくちん”の文字。 忙しい毎日の中で、おいしいものを手早く作るワザ。 「時間を有効活用するのは、とっても素敵なことだけど、全部をそれで済ませてしまっていいのかな?」 1年ほど前から食文化別館HP製作チームで話題になっていたこと。
「短時間でおいしくできるものもあるけど、時間をかけることでおいしくなるものもあるよね。」
時間がおいしくしてくれる、そんな料理を「時長(じちょう)料理※」と名づけて、
週末に、てまひまかけて作ることにしました。
(※時間をかけて作る料理。時短料理の対義語。長期保存することを目的としていない。食文化別館HP制作チームで造った造語。)
今回、料理するのはコンビーフ。英語では「CORNED BEEF」と書きます。 CORNEDは、「塩漬けの」という意味。直訳すると「塩漬けの牛肉」。 日本ではコンビーフといえば、塩漬けした牛肉を煮沸してほぐした後、ミンチ肉、食用油脂、塩、 調味料などを配合したものを指しますが、欧米では、ほぐさないでスライスしたものもコンビーフと呼ぶそうです。
今回は、2通りの方法で、作ってみました。 ひとつは、水、塩、砂糖で作ったソミュール液に、生の牛肉、香味野菜、スパイスを入れて冷蔵庫で1週間寝かせ、 1週間経ったら、3時間ほど水にさらして塩抜きをして、ゆでる方法。 もうひとつは、あらかじめ火を通した牛肉を、1週間ソミュール液に漬け、塩抜きをせずにゆでる方法。
結果は、あらかじめ火を通したものは、ちょっとパサパサした食感に、生の牛肉で作ったものは、しっとり仕上がりました。 出来上がりの色も、生の牛肉で作ったものが市販されているコンビーフに近い感じでした。
出来上がったコンビーフを使って「ルーベンサンド」を作りました。ライ麦パンにスライスチーズ、ザワークラウト、
スライスしたコンビーフをはさみます。市販のハムで作るサンドイッチよりも、豪華になりました。
コンビーフを使ったアレンジ料理は、Facebookページ「食文化のひろがり 食文化栄養学科のひろがり」で、公開予定です。
こちらもぜひご覧ください。
2通りの方法で作ったコンビーフ。食文化別館HP制作チームで試食した結果、より市販のコンビーフに近い、 生の牛肉をソミュール液に漬け込む方法で作ったレシピを掲載します。
(食文化別館HP制作チーム ・ 新井純子/2016.05.18)
参考ウェブサイト
川商フーズ株式会社 ホームページ→:
ノザキのコンビーフ
Facebookページ→:
食文化のひろがり 食文化栄養学科のひろがり
「コンビーフ」の作り方
材料
牛ももブロック 500g
A(ソミュール液)
水 500cc
塩 50g(肉の重量の10%)
砂糖 8g(肉の重量の1.5%)
B(香味野菜)
にんじん 1/2本
玉ねぎ 1/2個
しょうが 1かけ
セロリの葉 1本
C(香辛料)
ローリエ 2枚
粒こしょう 10粒
ローズマリー 少々(お好みで)
セージ 少々(お好みで)
オールスパイス(パウダー) 少々(お好みで)
下準備
1 牛肉は、竹串やフォークなどで表面に穴をあける
2 にんじん、たまねぎ、しょうが(皮つきのまま)はスライス、セロリの葉は4~5cmに切る
作り方
1 ソミュール液を作る
水、塩、砂糖を鍋に入れ、中火にかけて、塩と砂糖を煮溶かす。塩と砂糖が溶けたら、火を止め、冷ます。
2 ジッパー付きの袋に、1のソミュール液、牛肉、香味野菜、香辛料を入れる
3 冷蔵庫で1週間寝かせる
4 1週間経ったら、牛肉を取り出し、水を張ったボウルに3時間ほど漬けて塩抜きする(途中で水を変える)
5 圧力鍋に新しい水を牛肉がかぶるくらいまで入れて中火にかけ、おもりがまわり始めるまで加熱する。
おもりがまわり始めたら、弱火にし、15~20分加熱する。
(圧力鍋がない場合は、普通の鍋でよい。普通の鍋の場合は、3時間程煮る。)
6 荒熱がとれたら、スライスまたはほぐして完成