食文化栄養学科3年次に開講される「パッケージ論」という授業がきっかけで始まった展覧会
“和菓子づつみ ─現代だからみえるもの─”
第2回を開催することとなりました。
こちらは、1月のコラム
「和菓子づつみ ─現代だからみえるもの─」でご紹介した展覧会です。
2015年10月8日~13日に開催した第1回展覧会は、食文化4年生が集って開催しました。
今回は、前回から引き続き参加している4年生2名に加え、2年生1名、3年生3名、卒業生3名が集まっての開催となります。
幅広い年代が集まることにより、それぞれの世代による違い(たとえばモノづくりに対する姿勢や経験)が、作品にどのようなかたちで現れるのか、
また、新たにうまれたタテのつながりが、これからどのように広がっていくのか・・・。
写真は、今回、展示する作品の一部です。
新生「6201」と展覧会について、コーディネーターの平野先生に寄稿していただきました。(会場で配布する冊子より抜粋)
(食文化別館HP制作チーム ・ 新井純子/2016.03.09)
和菓子の味に惹かれたというよりも、それも含め、和菓子を取り巻く状況や
和菓子に生きる人や和菓子の持つ言語に惹かれたと言った方がいいかもしれない。
「和菓子づつみ」の”つつみ”は”パッケージ”の意味で、
もともとはパッケージの研究から近年の和菓子の状況に注目し始めたことが「和菓子づつみ」の種となった。
和菓子のもつボキャブラリーは味や素材ばかりでなく、季節や菓銘、空間など様々だが、包みもそのひとつである。
食品パッケージはその中身の特性を否応なく表面化するが、近年の和菓子におけるパッケージには目立って変化がみられるようだった。
パッケージの変化を促したものは、和菓子や和菓子をとりまく状況の変化であるはずに違いなかった。
「和菓子づつみ」のメンバーは、一回目も二回目も、和菓子に通じた者が集まったということではない。
初めて和菓子を作る者も多い。むしろそれでいい。専門家とは道に通じている者のことだが、その道に慣れてしまい、
道を外れて歩こうとしない専門家も多い。和菓子づつみのメンバーは和菓子の外部の森からやってくる。
時にこどもっぽく、時にあたりまえすぎることもあるが、そのあっけらかんとしたヴィジョンは、無邪気なモンスターにもなり得る。
一回目の「和菓子づつみ」はこれ以上ないほどの幸運に包まれて始まり、一週間後にわたしたちがいたのは、
始まりには想像すらしていなかったような風景の中だった。二回目はどうだろうか。
和菓子のボキャブラリーを再確認し再構成する。
「つつみ」はそのひとつに過ぎない。まだまったく十分ではないが、和菓子の言語づくりに少しでも関与できればと願っている。
ここでは名前のひとりびとりを上げないが、一回目以来多くの人と出合い、助言を受け、それ以後も様々な考えに触れ、
行動を目撃し、そしてそれだけで勇気づけられた。だから私たちは今もまだ創造の熱狂の中にいることができる。
この場を借りて心の底からお礼を言いたい。
チーム名の「6201」は「和菓子づつみ」の始まりの場所である教室の番号である。
チーム名が場所の名前であったのは、今となっては優れたメタファーだったと思う。
それが素っ気ない数字の並びであれば尚更である。場所とは、旅立ち、また戻る所でもある。
チームはいずれ6201を旅立ったままもう戻らないかもしれない。
それは「6201」ではなく「和菓子づつみ」でもない、それは別の場所であり、なにか別のものである。
そしてその姿を一日も早く自ら目撃したいと願っている。
和菓子づつみ ─現代だからみえるもの─
会期:2016年3月12日(土)~2016年3月17日(木)
10:00~19:00
※会期中無休
会場:Perry House Gallery
東京都渋谷区神宮前4-23-6
東京メトロ千代田線、副都心線「明治神宮前」駅より徒歩7分
東京メトロ銀座線、半蔵門線、千代田線「表参道」駅より徒歩7分
参考ウェブサイト
展覧会のご案内→:展覧会のご案内
1月のコラム→:
和菓子づつみ ─現代だからみえるもの─
会場HP→:
Perry House Gallery