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栄養学専攻編

Dialogue 在学生×教授

味覚感度と食生活。
この研究の先駆者になってもらいたい
[調理学研究室]
研究指導分野/調理・食生活学
小西 史子 教授
調理には栄養学のすべてが詰まっている。
その道を究めたい
栄養学専攻 修士課程2年
中村 理乃

味覚と食生活の関係を研究し、食品開発に生かしたい
小西 中村さんは、なぜ大学院へ進学しようと考えたのですか?
中村 「調理は栄養学の最終形態であり、栄養学に関するすべての学問が詰まっている」。これは短期大学の先生がおっしゃった言葉です。栄養学にはたくさんの分野があり、すべてがとても重要です。調理学は、生活に密着した学問であるからこそ奥の深い分野。将来は食品開発職に就きたいのですが、調理学を学ぶことで、より栄養学の知識を深められると考え、大学院に進学しました。
小西 食品開発と調理学は大いに関係がありますので、学びを深めることは将来に生きると思います。ただ、中村さんの研究テーマである「味覚」は先行研究が多いとは言えず、海外の文献も少ないですね。
中村 はい。私は、味覚と食生活の関係について調理学の観点から研究しています。現代では、味覚感受性の低下が危惧されています。特に若年者の味覚感度が低下しているといわれており、その中で、味覚と食生活が関わっているとされていますが、先行研究が少ないのが現状です。
小西 もしかしたら味にこだわるのは日本人の特徴かもしれませんね。日本国内で先行研究が進んでいるとはいえ、文献が少ない中で研究を進めるのは大変なこともあります。そのうえで大切なのは、仮説を立て、それを一つひとつ検証することです。中村さんが目指している食品開発にも生きてくると思いますし、社会経験を積んだ後で、さらに学びたいと思ったらぜひこの場所に戻ってきてもらいたいと思っています。そしてこの研究の先駆者になってもらいたいですね。
中村 研究室で学びを深めるにつれ、調理学は、他学問を結集させて作られていると実感する毎日です。そしてその結集された学びを、調理を通して、人においしく食べてもらうことが一番の魅力だと気づくことが出来ました。
小西 そうですね。調理は“おいしさ”というゴールはもちろん、化学・物理学・生命科学といった要素を含んでおり、さまざまなアプローチができる大変興味深い分野だと思っています。研究者も少ないことから、中村さんのような学生が増えてくれると嬉しいですね。


突き詰めて学ぶ姿勢
身につけてほしい
[給食・栄養管理研究室]
研究指導分野/栄養管理学・給食経営管理学
石田 裕美 教授
栄養学専攻 修士課程2年
新井 祐未
栄養学専攻 修士課程2年
田﨑 仁美
栄養学専攻 修士課程2年 高度専門職業人養成コース
常住 汐里

大学院生には納得がいく研究をしてほしい
田﨑 大学卒業後、栄養士養成校で助手を務めていました。給食関連の授業に携わるうちに、献立から完成までの仮定と実作業のギャップ、味のばらつき、効率的な指導法など、多くの問題に直面し“給食”を学びたいと思うようになりました。石田先生は給食分野では誰もが知る存在でしたので、指導を仰ぎたいと思い本大学院への進学を決めました。
石田 田﨑さんは大量調理の経験がない学生を指導した経験から「未経験者に大量調理法を修得させたり、複雑性を理解させたりするには何をすべきか」に着眼点があるのだと思います。この研究内容は突き詰めていくと、いまの給食施設で従事者の意識改革や、作業の効率化、そして美味しい給食などに結びつくものだと思います。
田﨑 一度社会に出たからこそ見つけられたテーマだと思っています。先行研究がない分野ではありますが研究を重ね、いずれは石田先生のように教育者になれればと思っています。
新井 私は、家庭経済環境と子どもの栄養素摂取量の関係性、また給食が貧困層の子どもたちの栄養摂取量をどのくらい補えているのかを研究しています。着目したきっかけは、研究室の調査を手伝ったことでした。体が小さく細い子どもたちが揃った小学校を訪れた際に、ダイエット等の影響を受けた親が、食べると太るという理由から食事をしないようになったという話を伺い、子どもたちを対象に食育を深く学びたいと思うようになりました。
石田 新井さんは、大学生の頃から食育に興味を持っていましたね。きっかけは偶然だったかもしれませんが、データの読み込みや研究のプロセスにおいて強いこだわりをもっていると思います。このまま邁進してもらえたらと思います。常住さんは高度専門職業人養成コースとして、スポーツ選手の栄養管理を学んでいますね。
常住 はい。スポーツ栄養の分野にはアプローチの方法がいくつかありますが、私は食事提供からのサポートを学んでいます。大学生アスリートと高校生アスリートを対象としているのですが、競技レベルや目指す目標によって食事の提供内容は細かく変わってきます。アスリートは特殊な対象ですので、食事提供の科学的根拠と現場でのサポートを結びつけて学べる高度専門職業人養成コースを選択しました。
石田 研究とは違い、対象者のスケジュールに合わせて動かなければならず毎日大変忙しいと思います。しかし、対象者に合わせて作業を進めるなどの柔軟性は、職業人には必要な姿勢です。常住さんはその柔軟性が身についてきているように感じています。
常住 ありがとうございます。将来は食事の面から、ジュニアアスリートへのレベルの高い栄養サポートを行いたいので、このまま頑張りたいです。
石田 大学院で学ぶ学生は、いままでの学びや活動の中で見つけたものへの深みを自分なりの仮説を立てどのように検証するか、その筋道を論理的に組み立てられる力が大切です。先人たちの研究を参考に、突き詰めて学ぶ姿勢を身につけてもらいたいと願っています。
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