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地域食振興実習

(4年生 通年 選択科目)

梅パワーで地域活性化

2015.03.30 授業紹介 学生取材記事
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 「地域食振興実習」という授業で、埼玉県越生町の梅農家 山口さんと共同で、梅干しを使用した商品の開発を行いました。
 私たちは、まず山口農園の畑や商品加工場の見学をさせていただき、実際に自分たちの手で商品のラベル貼りの手伝いをしました。 梅の栽培から加工まで、一からものを作り上げる大変さ、農産物直売所の見学からは、 加工してもなかなか売れない現状、売るための仕組みが整っていないことを知りました。

 山口さんは、越生町で女性農業者として様々な活動に取り組んでいます。 たとえば、サンドウィッチ店の「サブウェイ」と梅ジャムを使ったデザートサンドを共同開発し、販売したのはそのひとつです。 また、農園内の梅畑にあるビニールハウスで、梅を使用した太巻き寿司の体験教室や、 梅の枝を使用した染色体験教室などを行っています。

 山口さんが様々な活動に挑戦をし続ける原動力となっているのは、「越生町をもっと元気にしていきたい」という熱い想いです。 私たちは、そんな挑戦し続ける山口さんの人柄に惹かれ、 「梅を通して多くの人に越生町の魅力を知ってほしい」という想いを抱きながら商品開発に挑みました。

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梅の枝を使った染色体験
かなづちをつかって梅の枝をたたきます

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たたいた梅の枝を煮出して作った染料に漬けました

 私たちがターゲットとする消費者は、梅干しが苦手な若い人たち。 「梅干しは苦手だけどこの梅干しを使ったドレッシングは食べられる」と言ってもらえるような商品を目指しました。

 開発したドレッシングの商品名は、『乙女の片想い~梅干し入り赤ワインドレッシング~』。 ネーミング、ラベル、容器の選択まですべて一から作り上げました。

 1月29日『乙女の片想い』の初披露イベントとして東松山の「まちカフェ」でドレッシングを使用した梅ランチを1日限定で販売しました。 イベント当日、地元の方やチラシを見て来て下さった、小さいお子さんから年配の方まで幅広い年齢層のお客様で店内は賑わい、とてもやりがいを感じました。

 とくに、小さいお子さんが『乙女の片想い』を食べた時の喜ぶ顔が印象的でした。 小さいお子さんでも梅干しの酸味に抵抗がなく受け入れてもらえたとこを嬉しく思います。 梅干しが苦手な若い人でも受け入れられる味になり、私たちが目指した商品に一歩近づきました。

 実際に『乙女の片想い』を使用した料理の反応を直接お客様から聞くことができ、 とても参考になり、どのように商品を改善していけば良いのか学ぶことができました。 お客様アンケート集計の結果では、沢山のお褒めのお言葉を頂きました。 「また食べたい。」「とても美味しかった。」「斬新な梅干しの使い方に驚いた。」など様々なご意見ご感想を頂きました。

 まちカフェでのイベントは、当日の作業スケジュール、内装装飾、調理、サービスまですべて自分たちで企画しました。 仕込みの時間がぎりぎりになってしまったり、途中材料が足りなくなったりと何度かハプニングがありましたが、 先生方のご指導や仲間の協力のおかげで困難を乗り越えることができました。 カフェ運営は当日の動きだけではなく、仕込み作業や当日の材料の用意など、 事前の準備をひとつひとつ丁寧に確認することがとても大切だと感じました。

 2月14日には、埼玉県川越市にある「小江戸蔵里(くらり)」で、越生の梅PRフェアーとして『乙女の片想い』や『万能梅みそ』、 『梅干し』や、『ほし梅』の販売、梅の枝を使用した染色体験を行いました。当日は、肌寒い一日でしたが、 たくさんの方に買っていただくことができました。

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『乙女の片想い~梅干し入り赤ワインドレッシング~』

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小さいお子さんにも食べやすい梅干しの酸味です

 私はこの実習を通して、一から商品を作り上げる大変さを学びました。 生産者はまず、畑を耕し商品となる食材を作ります。そして、その食材をいかに多くの消費者に喜んで食べてもらえるか工夫を凝らして加工します。 私たちが当たり前に手にしている商品は、“生産者の想い”が込められていることを忘れてはならないと実習を通して学びました。 商品開発の大変さを味わえただけではなく、商品開発のやりがい面白さを知りました。協力して下さった周りの方々に感謝しています。

(食文化栄養学科 4年 H.A./2015.03.30)

参考ウェブサイト
日本農業新聞→: 女子力で梅干し消費回復を 1日限定カフェ 埼玉・東松山市で農家と大学生
埼玉新聞→:  一日限定で「梅ランチ」 坂戸・女子栄養大生が越生の農家と開発
サブウェイHP→:  -「農業女子プロジェクト」-ランチバッグ「畑からの贈り物」期間限定発売!